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[ジョージ・ネイピア] マオリの月に照らされて

ラグビーファン、殊にオールブラックス好きであれば、一度はその名前を聞いたことがあるだろう。

「ジョージ・ネイピア (George Nepia)」

有り余る才能を持つ天才フルバックは、ニュージーランド(特にマオリの間)で最も人気のあるラグビー選手のひとりだ。

若くして「世界最高」の勲章を手にし、幾分ロマンチックな物語で彩られた彼の人生は、決して単純な輝きで満ちているわけではなかった。 (続きを読む…)


シルヴァー・ファーン: 漆黒の夜を照らす再生への道

ニュージーランド代表、オールブラックスの胸に描かれている、シダのマークをご存知だろうか。

「シルヴァー・ファーン」

銀色のシダを意味し、マオリ語では「ポンガ」もしくは「カポンガ」と呼ぶ。

あまりにも有名な、ニュージーランドを象徴するこのマークについて、ちょっとしたトリビアを並べてみたい。 (続きを読む…)


Kia Kaha: クライストチャーチへの祈り

皆さんご存知のように、2月22日にニュージーランド・クライストチャーチで大地震が発生しました。

地震発生以来、TwitterやFacebookなどは沢山の現地情報と、現地の方々の無事を祈る声で埋め尽くされました。そんな中で “Kia Kaha” というフレーズを目にされた方も多いのではないでしょうか。

端的には「頑張れ」という意味で使われるこの言葉。しかしここには様々なニュアンスが込められています。 (続きを読む…)


NZとアパルトヘイト(3/3): 傲慢な騎士たちの憂鬱

The Springboks Tour“から4年後にあたる85年、ニュージーランドラグビー協会はオールブラックスの南アフリカ共和国遠征を計画する。しかしこれは、反アパルトヘイト派の弁護士による協会憲章に矛盾するとの訴えを受け、法廷闘争となった。結果として高等裁判所はツアーの中止命令を出し、計画はキャンセルされた。

ところが一部のマネージャー達は、この「興行」をあきらめなかった。翌年、企業と提携して遠征費を作り、ラグビー協会とは別の「あくまでプライベートな催し」として、南ア遠征を決行してしまう。便宜上「キャバリアーズ」(The Cavaliers)と名づけられたチームは、しかし実質的には「オールブラックス」であった。 (続きを読む…)


NZとアパルトヘイト(2/3): 晴れ、ときどき小麦粉

前回の「黒いユニオン・ジャック」で、背景にある大まかな流れを見てきた。今回は、そんな不穏な空気の下で行われた1981年のスプリングボックスによるニュージーランドツアーの様子を振り返りたい。

五輪をボイコットしたアフリカ諸国や、HARTなど国内の反アパルトヘイト活動家達の突き上げも厳しさを増す中、南アフリカ代表・スプリングボックスによるニュージーランド遠征が企画される。ニュージーランド政府は「政治とスポーツを混同すべきではない」というポリシーの下に、またしてもこれを了承。当然ながら大論争が巻き起こった。 (続きを読む…)


NZとアパルトヘイト(1/3): 黒いユニオン・ジャック

映画「インビクタス」に関する話題を未だに目にすることがある。アパルトヘイト撤廃後の民族融和という偉大なテーマが描かれている。スプリングボックス(南アフリカ・ラグビー代表)が数々の苦難を乗り越え、ワールドカップの賜杯を掴む最後の強敵として立ち塞がるのが、ニュージーランド・オールブラックスである。

この大会に於いてもスプリングボックスとオールブラックスは「スージー事件」など幾つかの因縁を作るが、両国のアパルトヘイトを巡る関係は更に深く、入り組んだものになっている。今回は、あの95年に到る長い苦難の道の一部を、ニュージーランド側の視点から少し見てみたい。 (続きを読む…)


ラグビー ニュージーランド代表 (オールブラックス)

「ラグビー」はほとんど知らなくても、「オールブラックス」は聞いたことがある。そんな人も多いのでは。
ワールドラグビーの代名詞、漆黒の覇者・オールブラックスは、ニュージーランドのナショナルチームの呼称。
その名は世界中のラガーマンやラグビーファンから、ある種「特別」なものとして、憧憬や畏敬をもって語られるワールドラグビーのカリスマ。

通算対戦成績で全ての国に勝ち越している唯一のチームであり、国際試合の総勝利数でも世界最多。
オーストラリア南アと3国で争う南半球王者決定戦・トライネイションズでは、13年のうち9回優勝。
イングランドアイルランドスコットランドウェールズを相手の同一ツアーで全勝する「グランドスラム」を達成すること3度。
2001年からのIRBアワードで最高チームに選ばれること4回(最多)。
IRBラグビー殿堂入りプレーヤー15名(最多)。
100年を越す栄光に彩られた歴史は、ラグビーを国技とするニュージーランド国民の誇りとなっている。

しかしその輝かしい戦歴も、ことワールドカップに舞台を限ればくすんでしまう。第1回大会こそ地元での優勝を飾ったが、その後は決勝トーナメントで足元をすくわれることが続き、栄冠から遠ざかってしまっている。そんな大舞台での弱さをして「ガラスの王者」などと呼ばれることもあり、2011年のニュージーランド大会では何としてでも2度目の優勝をはたし、王者たる姿を見せなければならない。 (続きを読む…)