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パリ, 狂熱の元旦(後編): 恢復する傷跡

1913年の元日にパリでつけられた大きな爪痕は、第一次世界大戦という更に大きく深い傷によって抉り取られたかに見える。終戦から2年、人々は戦後の融和 – それは後になれば一時的な休戦に過ぎなかったわけだが – に向けて、再びスポーツという平和な戦争を楽しむ余力を取り戻しはじめていた。

1920年、戦後最初のファイブネイションズ緒戦は7年ぶりのフランス対スコットランドで、またしても元日のパリであった。否が応でも前回の対戦を思い出させる形の両国の対戦は、災禍から目を背けるのではなく、真正面から向き合うことを強要する形で実現されたことになる。 (続きを読む…)


パリ, 狂熱の元旦(前編): 快挙と暴動

「フランスのラグビーファンはイカれてる」

これはフランスがラグビーの国際試合に参入してきてから、合言葉のように英国ジャーナリストの間で使われてきた言葉であった。殊に1910年からファイブネイションズとなった大会にフランスが参入してからは、そのイカれぶりは更にヒートアップする。

何より協会やメディアを悩ませたのは、彼らが – その熱狂ぶりとは裏腹に – ラグビーの複雑なルールを、よく理解していないことでもあった。 (続きを読む…)


ラグビー スコットランド代表

ラグビー母国である「ホームネイション」の一角であるスコットランドは、ラグビー史上初のテストマッチを戦ったとされる最古豪国のひとつ。

ワールドカップでもプール戦で敗退したことはなく、安定した強さを保ち続けている。しかし逆に大物食いで躍進するようなこともあまりなく、IRBオリジナルで最も目立たない国であるかもしれない。

国旗よりもかなり色合いの強い濃紺のユニフォームを身に纏う代表は、伝統的に小柄で細身の選手が多い。それでも隣国イングランドの重量フォワードにも当たり負けしない鋼の身体で、攻守にバランスのとれた小気味の良いラグビーを展開する。

「初の国際試合」とされる1871年のイングランド戦に勝利して以来、イングランドとは “Auld Enemy”(スコットランド語で「旧敵」)と呼ぶ強いライバル関係となる。79年からは両国間の対戦で「カルカッタ・カップ」が賭けられ、ファンも特に熱の入る対戦となる。 (続きを読む…)