[ラグビー関連映画] Forever Strong
アメリカ映画には稀な、ラグビーを中心に描いた映画。アメリカの高校ラグビーで最強を誇る伝統チーム “Highland” と、創立時よりチームを率い続けたカリスマコーチ Larry Gelwix に関する幾つかの実話を元に作られたドラマ。
ある種のスポーツものとして典型的なストーリー展開ながら、実話を元にしているだけあって人物描写が丁寧で説得力のある作り。ラグビーと、ラグビーに真剣に打ち込む学生達への愛が強く感じられる、非常に好感度の高い映画になっている。
アメリカで2008年に公開。
あらすじ
才能溢れるラグビー選手ながら、いつもグラウンド内外でトラブルメーカーとなってしまうリック(Sean Faris)。宿敵ハイランドに敗れた試合でも、ハイタックルとラフプレーで退場になってしまった。その夜、リックはパーティの帰りに飲酒運転から交通事故を起こし、同乗していたガールフレンドは顔に傷の残る大怪我をしてしまう。
飲酒運転やドラッグの常習性から少年院に送られたリックは、そこで更正プログラムの一環として、あのハイランドに加わってプレーすることになってしまった。享楽的な以前のチームメイト達と「合唱団のおぼっちゃん達」と馬鹿にし、敵視していたハイランドに嫌悪感を覚えるリックだが、やがて真摯でひたむきな彼らの生き方に触れるにつれ、プレーだけでなく人生に対する考え方に惹かれ、感化されていく。
やがてチームの主力として認められ、信頼しあう仲間たちと充実した生活を送るようになっていたリックだが、ふとしたことからラグビーコーチである彼の父親が、かつてハイランドのスタープレーヤーだったことを知る。父親とリックの確執、父親とハイランドとの確執。それらはやがて、思わぬ悲劇や困難を呼び寄せる…
ハイランド・ラグビー
ここでは物語の魅力の一端を伝えるため、実際のハイランド・ラグビーチームについて紹介しておきたい。
ハイランド・ラグビーチームは1984年に設立され、翌年のナショナル・チャンピオンシップでいきなり2位の好成績をあげる。以後、2009年までの25年間で優勝18回。3位以下になったことは一度も無く、通算成績379勝9敗という圧倒的な強さを誇っている。更に大学チーム相手にも48勝17敗と大きく勝ち越し、まさにアメリカ高校ラグビー界の王者である。
その強さの秘密のひとつは、彼らの運営母体(正式に属しているわけではない)であるハイランド高校が元々は英語を第二外国語とする学生達のための高校で、現在でもニュージーランドやサモア、南米からの移民の子弟が多く通っているという事実にもあるようだ。
とはいえ、無論のことそういった人種的なものだけで、これだけの成績をあげられるはずはない。彼らの強さは、コーチ Larry Gelwix の指導によるところが大きい。学生時代に英国留学し、ニュージーランド人のコーチからラグビーを習った彼は、子供達を安易なドラッグやアルコールから遠ざけ、人生と正面から向き合う人間に育てるために、ラグビーは最適だと確信する。これだけの常勝チームを作ってきた彼だが、常に「自分が教えているのはラグビーではなく、生き方」と語っている。
Larryは映画中でも実名で登場(演じるのはもちろん役者)し、彼が口癖のようにしている多くの言葉が使われている。
“Good decisions don’t make life easy, but they do make it easier.”
(良い決断は、人生を安易にはしない。しかし、いくらか易しくはしてくれる。)“The true test of a man is what he will do when no one will know.”
(人が本当に試されるのは、誰も見ていない時に何をするかだ)“If you lose your integrity, you’ve lost everything.”
(誠実さを失うということは、人生の全てを失うということだ)“I want you to be forever strong on the field, so that you will be forever strong off the field.”
(フィールド上でくじけぬ心を持ちなさい。そうすれば、フィールドの外でも負けない心を持てる)“I don’t build championship teams, I build championship boys.”
(最強のチームを作っているのではない。最高の少年達を育てているのだ)
しかし彼は周囲に、あれはあくまでも自分の映画ではなく、子供達が主人公の映画だと語っているという。
ニュージーランド・ラグビーに影響を強く受けた彼が率いるチームらしく、試合前には Haka を行う。映画中のチームも何人かはマオリである他、 Haka をはじめとしたマオリ文化は物語の重要な要素となっている。
Akia Kaha
映画のタイトルになっている “Forever Strong” は、ハイランド・ラグビーのモットーから来ている。実際には彼らはこれをマオリ語で “Akia Kaha” と言い、試合前には必ずチームで輪になり、次のように唱えるという。
“Akia Kaha!” (決してくじけない!)
“Til the Death!” (死ぬまで!)
“It doesn’t matter who scores,” (誰が得点するかは問題じゃない)
“it only matters that we score!” (俺達で得点するんだ!)
“Big team, little me!” (ひとりよりチーム!)
映画中でも学生達は、困難に直面する度に “Akia Kaha” と唱え、強く立ち向かっている。
映画を観たくなったら
残念ながら日本では公開されておらず、DVDの国内販売も恐らくありません。
個人輸入でDVDを入手して、リージョンフリーのプレーヤーで観るしかないのが現状と思われます。
苦労して視聴環境を整えるほどの興味は無いが、せめてストーリーだけでも知りたいという方のために、こちらでノベル調に物語を書き起こしてみました。
英語だけで観るのは辛いような方も、これを読みながらであればストーリーを理解しやすいかと思います。また、頑張って入手しようかどうか迷われる方も、まずは物語を読んでみるのも良いかと。
ストーリーを知っていても楽しめる、ラグビーファン必見の映画です。
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-- Posted by nao58








